多摩川を歩いて

 

 自宅(さいたま市)からの距離があり公共交通の時間がかなりかかると思っていたが、実際に歩いてみるとJR青梅線を始めどこもアプローチが簡単でほとんど問題なかった。とっかかりの右岸河口に向かうのに京急大師線・小島新田駅からが、遠くて大変だっただけである。ただこれもバス利用の機転がきかなかっただけである。

  左岸・右岸とも堤防上の道は快適に歩け、見るものも多かったが、監視カメラの多さには感心した。とくに左岸(東京側)に目立ち、12km間隔で設置されている所もある。監視社会となってきたことを感じざるを得ない。他の川ではあまりこのような感覚にならなかったが、場所・環境の違いによるものなのか、ここ数年の変化であるのかは不明である。

  多摩川を歩いた範囲では、堤防上や遊歩道の比率が高く、楽しい川歩きができた。ただしJR青梅線・奥多摩駅より上流では、奥多摩湖いこいの路を除いて青梅街道を行くしかなく、自動車通行量が多い上に歩道がほとんどなく、快適な歩きとはいかなかった。この区間の青梅街道はトンネルが多くあり、狭くなる。

  強く印象に残っているのは、下流から①多摩川下流コースではいずれも新聞記事で知った「川崎河港水門」と「旧多摩川スピードウェイ跡」、②二ケ領宿河原堰・稲田堤コースでは、工事中に仕事できた「二ケ領宿河原堰」と見栄えする斜張橋の「是政橋」、③貝殻坂・拝島水道橋コースでは「多摩モノレール橋梁と立日橋」の配置と、何と言っても「土丹の浸食溝」、それに戦後すぐの「八高線の列車事故」である。さらに④羽村堰・釜の淵公園コースでは「玉川上水取水口」と「釜の淵公園」、⑤御岳渓谷・白丸ダムコースでは遊歩道でもとくに「山越え遊歩道」と「白丸ダムの魚道」、⑥奥多摩湖いこいの路コースでは「小河内ダムでの水没集落」と「奥多摩湖いこいの路」への好印象である。

このように残印象箇所が多いのも多摩川の特色と言える。