海から約112kmの下総利根大橋から左岸堤防上を境大橋・圏央道橋梁を経て新利根川橋に行き、これを右岸に渡って権現堂調整池(行幸湖)を通る約26kmのコースである。ルートを図-6.3に示す。2.5万分の1地形図は宝珠花・下総境・栗橋である。
東武アーバンパークライン春日部駅東口から朝日バスで関宿中央ターミナルに行く。ターミナルから市街地を徒歩約30分で下総利根大橋(写真6-10)に行き、歩測橋長1055mを左岸に渡って堤防上が始まる。このコースは堤防にたどり着くまでに少し時間がかかる。
このあたりの利根川は川幅が広い(約600m)ためか各橋の間隔が長く、下総利根大橋から上流の境大橋まで約10kmある。この間観光的なものは何もなく、水門や樋管のような河川構造物もなくて、日陰がほしくなる。あるのは500m間隔の距離標だけのサイクリングロード(写真6-11)である。ただひたすら「堤防を往く」である。
境大橋の手前で待望の桜並木の木陰(写真6-12)となる。境の水辺桜づつみは旧建設省が全国9ケ所で実施した水辺整備事業のひとつで、ここでは桜づつみのほか境河岸の復元・常夜燈・河辺の散策路などがある。近くに道の駅さかいもある。境町は奥州と江戸とを結ぶ舟運の中継地であり、奥州街道・日光脇街道の宿場町としても栄えたとのことである。
堤防沿いのサイクリングロードは境大橋(写真6-13)で途切れるので道の駅さかいに迂回して上流に行く。関東の冨士見百景―富士山の見えるまちづくりという碑(写真-6.14)がある。境の渡しは境大橋ができて不要になったのであろうが、高瀬舟(写真-6.15)を使っての観光用に運営されているらしい。ただしここを訪ねた2回とも休航であった。
堤防上の道路は利根・渡良瀬サイクリングコースと称される。茨城百景境の景勝―大利根河畔景勝之地なる大きな石碑がある。
圏央道橋梁(写真-6.16)を過ぎると土管を縦積みにした旧式な樋管が見える。昔はこのような形が普通であったのであろうが 今は珍しい。
新利根川橋の歩道を経て右岸へ渡る。
ここから右岸の堤防上でマムシ注意の看板(2km間に10個)を見ながら行き、海から127.0km付近で市街地道路に下りる。道なりに進むと東北新幹線高架と交わる所に、権現堂川の霞橋(写真-6.17)がある。この権現堂川沿いに進めば権現堂調 整池(行幸湖)になる。太平橋(写真-6.18)から右折して東武日光線南栗橋駅に至る。
このコースの中には含めなかったが、少し足をのばせば行幸湖の奥に権現堂公園があり、季節によっていろんな花を楽しめる。1月中旬から2月中旬には水仙、4月初旬には桜と菜の花のコラボ、6~8月は紫陽花とアナベル、秋には曼珠沙華などである。ドラゴンボートレース(4月中旬)やスポーツGOMI拾い大会in幸手(11月末)などの催しも開かれている。